今回は、看護師として働いている私が、訪問入浴で単発派遣をしたときの体験談を書きました。
実際の業務の流れ、訪問入浴の良かったところ、大変だったところなどをまとめています。
単発派遣という働き方や、訪問入浴の仕事に興味がある方に参考にして頂けたら嬉しいです!
訪問入浴とは


訪問入浴とは、自力で入浴することが難しい要介護者を対象に、専門の事業者が専用の浴槽を自宅に持ち込み、入浴のサポートをする介護サービスです。
看護師1名と介護士2名の計3名で自宅に訪問することが一般的です。
訪問入浴での看護師の役割
- 利用者の健康状態のチェック(入浴可否の判断)
- 皮膚の状態観察
- 入浴後の処置
- 入浴介助・更衣
- ケアマネとの連携



単発派遣の場合、ケアマネとの連絡調整は事業所のスタッフが行います。
求人はどんな感じ?
私が利用している
勤務時間は大体8:30~17:30で日給15,800円~17,500円くらいです(事業所による)
MCナースネットでは実際に求人検索もできますので、興味がある方は見てみてくださいね。
派遣会社に問い合わせ
気になる求人があれば派遣会社に電話で問い合わせをします。
事業所名や交通手段、業務内容、持ち物、注意事項などを一通り説明してくれるので、自分の希望とマッチしていれば勤務希望の旨を伝えます。
先方も受け入れOKの場合は、派遣会社から業務当日の詳細がメールで送られてきます。
勤務前日までの準備
勤務前日まで業務内容を確認しておく
勤務日が近づくと、派遣会社から書類一式が送られてきます。労働条件通知書や業務内容書が同封されているのでよく確認します。
特に、交通手段は要チェックです。初めて行く場所だと、バスや電車の乗り換え時間が読めない場合があるので、時間には余裕を持って移動した方が安心です。
訪問入浴での実際の看護業務について


訪問入浴をしたときの流れ
今回の単発派遣は8:30~17:30の勤務でした(初めて行く事業所です)この日は6件訪問予定。
<8:20>
事業所到着。ロッカーを借りてユニフォームに着替え(上衣は貸し出しあり)
<8:30>
ナースバッグ内の物品確認。ミーティング参加。
<8:45~11:15>
介護士2名と私で訪問入浴車に乗り、1件目のお宅に向かう。車内で専用タブレットを使用し、利用者の情報収集(医師の入浴に関する指示や、入浴後の処置など)
利用者宅に到着。入浴で使用する機械やホースなど手分けして持ち、お部屋へ。介護士が浴槽を組み立てお湯張りをしている間にバイタル測定。入浴後に使用する軟膏や処置道具などを事前準備。お湯張りの状況を見ながら脱衣介助を実施。
寝たきりの利用者の場合は、3人で抱えて浴槽へ(歩行可能な場合、付き添って浴槽へ)洗顔、洗髪、洗体を3人で協力して行う(私は洗顔、洗体の部分介助中心)
入浴終了後、3人で利用者を抱えてベッドに臥床させる。介護士2名は浴槽の片付け。その間に体を拭いて更衣介助、軟膏塗布、尿管テープ固定などを行い、ドライヤーをかけた後、入浴後のバイタル測定。



更衣やバイタルは介護士さんも手伝ってくれます。
利用者宅を出て2件目のお宅へ。道中、車内でタブレットに入浴前後の記録を入力。次の利用者の情報収集をする。
2件目も上記と同じ流れで行う。午前中は2件回って終了。
<11:30~12:30>
コンビニの駐車場に車を停めて昼休憩。
<13:00~17:00>
1時間刻みのスケジュールで4件回る(流れは↑とほぼ同じ)
<17:10~17:30>
事業所に戻りナースバッグの片付け、物品補充。タブレットの記録を介護士さんに確認してもらう。OKをもらったら、着替えて勤務終了。



スケジュールの進み方によっては残業もあります。
どんな人が訪問入浴サービスを利用している?
この日、入浴介助させて頂いた利用者さんの介護度は以下の通りです。
1件目:片麻痺あり。支えがあれば歩行可。
2件目:寝たきり。胃瘻あり。尿管挿入中。気管切開あり(痰吸引は家族が実施。 気切バンドは家族と一緒に交換 )
3件目:寝たきり。胃瘻あり。
4件目:寝たきり。尿管挿入中(家族希望の固定方法あり)
5件目:寝たきり。
6件目:片麻痺。支えがあれば歩行可。



処置としては軟膏塗布が多かったです。
訪問入浴の良かったところ
利用者さんが喜んでくれる
色んなお宅を回りましたが、利用者さん、ご家族が入浴をとても楽しみにしているのが伝わってきます。
湯船に浸かると皆さん笑顔で喜んでくれるので、こちらも嬉しいし、やる気につながります。
業務をこなしていく充足感がある
1件1件業務を完了させながらスケジュールを進めていくので、タスクをこなしていく充足感があります。
また、利用者さんから感謝の言葉を頂けることも多く、業務に対するモチベーションもアップします。
人間関係に煩わされない
入浴と移動で1日があっという間に終わるので、人間関係での苦労はほとんどありません(ペアの相手によるかも知れませんが)
スタッフの方とは業務面でのコミュニケーションが中心で、車内でも特に世間話に参加しなくてもいいので気が楽でした。
訪問入浴の大変なところ
体力勝負
訪問入浴は1日6~7件訪問します。基本的に浴槽の持ち運びや準備は介護士が行い、利用者さんの更衣や処置は看護師の担当です。
寝たきりの方の更衣や体位変換を1人で行うのはかなりの重労働。しかも限られた時間内で行わなければならないのでスピード勝負です(結局、最後の方は介護士さんに手伝ってもらっていましたが)
体調を整えて臨まないと体力的にキツいなという印象です。
清潔面では妥協が必要
事業所にもよりますが、洗体は素手で行います(介護士さんは手袋を使用しません。陰部を洗ったり、便を拭くときも)
ナースバッグに手袋があるので、処置などは基本的に使用して良いのですが・・・。パウダーフリーだと手が濡れていると入らない(泣)
時間もないので結局素手でやるしかない場面も多くありました。
今回の事業所では、利用者さん宅での手洗いは駄目。終了後、入浴車で洗うルールでした。でも、介護士さんは手を洗わないんですよ・・・。なので、私も言い出せずアルコール消毒だけで済ませていました(事業所によっては毎回終了後に洗うところもあります)
車酔い
利用者宅に行く前に、処置内容や、医師の入浴支指示など事前に確認しなければいけません。
移動中の時間を使ってタブレットを見るので、結構車酔いします。また、入浴前後の記録も車内で行うので途中で気分が悪くなることも。
事業所に戻ってから記録することもできるのですが、残業は避けたかったので、どうにか耐えました。
単発派遣で訪問入浴をするときのポイント
<わからないことは聞く>
介護士さんのなかには、聞かないと手順など教えてくれない方もいます(単発を毎日のように受け入れている所だと、以前も来た派遣だと思われるよう)
事業所によってタブレットの操作や業務の順序など違いがあります。分からないことがあれば、どんどん聞きましょう(タブレットの操作は使ううちに慣れます)
<貴重品管理はしっかり>
車内に私物を持ち込めますが、業務中は離れることになります。貴重品はできるだけ事業所のロッカーに置いてきた方が安全です。
昼食やトイレ休憩のときにコンビニに寄るので、そのときに使うお金だけ持っていくなど、自分で貴重品対策をしましょう。
<医療行為>
基本的に入浴サービス以外の医療行為はできません(痰の吸引や摘便など)
軟膏塗布や尿管のテープ固定などは行ってもOK。
<腰痛対策>
訪問入浴は重労働です。抱える、しゃがむ、前傾など腰に負担がかかる姿勢が多いです。腰痛持ちの方は腰痛ベルトなどで対策を!
単発派遣 訪問入浴で働きたいときは
今回は訪問入浴で働いたときの体験談をまとめてみました。かなりの重労働ですが、やりがいのある仕事だなと思います。
単発派遣は1日だけの勤務で、勤務先も様々選べます。本業の合間にアルバイトがしたい、病院以外の職場も経験してみたいという方にはおすすめです。



色んな職場を経験できる楽しさもあります。
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