【かもめ食堂】よし、明日もまた生きていこう。

私の大好きな映画。「かもめ食堂」

もう何年も前。一度見たときに、ああすごく好きだこの映画と思ってから、もう何度も繰り返し見ている。

なんでしょうね・・・世界観や雰囲気というか。映画の始まりから終わりまで、とにかく心がウキウキ(?)してしまうというか。

何の気なしに、日常生活を送っているなかで「あ、かもめ食堂見たい」って不定期でそういう波が訪れます。

元気がないときとか、心がすさんでいるときが多いかも知れません。

目次

かもめ食堂は安心して見ていられる映画

かもめ食堂という映画の良いところ。

たくさんあるのですが、やっぱり何と言っても”安心して見ていられる”ところだと思っています。

作品に流れるリズムが一定で、激しい起伏がない。淡々と流れる日常、生活。人と人との出会いのなかで生まれるやり取りのなかに”負”を感じさせない演出(ひとりひとりの背景には暗い部分もあるのだろうけど、作品上では省略されている)

何より、主役三人の関係性が私は好きなんです。三人とも性格は全然違うのに、うまくピースがはまっているんですよね。それぞれ、個性が際立っていて人間味が溢れていて。
かみ合っているようでかみ合っていないところも思わずフフフと笑ってしまう。

スリルもサスペンスもないけれど、ひとりひとりの背景にあるドラマを想像しながら、じっくりと味わえる物語の良さがあります。

※ちなみに私は原作小説は未読です。

”食堂”という響きになぜこんなにも心が躍るのか

食堂という言葉、なんでこんなにもウキウキした気分になるんでしょう。

レストランという言葉も良いけれど、ちょっと近寄りがたい、少し固い響き。でも、”食堂”だと何の抵抗もなく店内の風景や年季の入った椅子に腰掛けて注文する自分の姿が想像できる。メニューには必ず定食があって、大盛りのご飯と熱々の出汁が効いた味噌汁、メインメニューはアジフライ、豚肉の生姜焼き、サバの味噌煮も良き・・・。

身近で親しみやすいメニューが次々と頭に浮かんでニコニコしてしまう。

”食堂”という言葉には夢がたくさんつまっている気がする(お腹が空いてきました)

かもめ食堂の作品中には美味しい料理がたくさん出てきます。料理をしている工程がね、本当に好きなんですよ。

ふっくらした鮭を網でジュージュー焼く場面とか、トンカツを包丁でサクッと刻む場面とか。あと大量のおにぎりをみんなで握る場面とか。幸福な瞬間だなあっていつもしみじみ思います。

美味しいもの=食べると幸せになる。この式が体に染み込んでいるから、心が幸福で満たされるんだろうな。

コーヒーという不思議な飲み物

作品にはコーヒーの出番が多い。

私は普段、コーヒーはあまり飲まないけれど、見ていると不思議なことに飲みたくなるんですよね。コーヒー豆を挽くところからはできないけれど、インスタントコーヒーを飲んで作品に浸りたくなる。

日本茶を飲んでいるときとはまたちょっと違った気分で、少し背伸びした感じで。コーヒーの香りがまたリラックスを誘うんですよね。

サチエさんの淹れたコーヒー、飲んでみたいな。

生きる力を自分の中に見つける

私がかもめ食堂を見たくなるときは、大抵落ち込んだときとかモヤモヤしたときが多いです。

主人公三人の自分の道を自分で決めて歩いている強さとか、さっぱりしたコミュニケーションとか、個性を隠さないファッションとか、食べることをおろそかにしないこととか。

見終わった後は、何て言うんでしょうか、しおれていた心がシャキッとするというか。

よし、生きていくかという気持ちが、モヤモヤで埋もれていたなかから顔を出すんです。

現実は厳しいので、またすぐ心が折れたりしますが、私にとって元気を取り戻す手段のひとつがこの作品をみること。たぶんこの先も何度も見ることがあるでしょう。

そういう作品に出会えて本当に良かった、そう思います。

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